執筆者
もりクリニック耳鼻咽喉科
院長 森 彰之
経歴
- 2003年3月大阪市立大学医学部医学科卒業
- 2003年5月
− 2005年3月大阪市立大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科 - 2005年4月
− 2017年3月南大阪病院 耳鼻咽喉科医員 - 2017年4月
− 2018年3月PL病院 耳鼻咽喉科副部長 - 2018年4月
− 2026年3月八尾徳洲会総合病院 耳鼻咽喉科部長 - 2026年5月もりクリニック耳鼻咽喉科 開院
当院では、スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法を行っています。アレルギー症状を根本から改善したい方は、お気軽にご相談ください。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を毎日、舌の下から少しずつ取り込んで体を慣らしていく治療法です。
従来の薬(抗ヒスタミン薬・点鼻薬など)は、痛み止めのように「症状を抑える」対症療法でした。一方、舌下免疫療法はアレルギー体質そのものに働きかける治療である点が大きく異なります。日本では、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に対して保険適用で行うことができます。
診察や血液検査でスギが原因だと確認できれば治療が可能です。
症状が強く薬だけでは十分に改善しない方や、副作用が気になって薬の使用が難しい方には特に向いています。
検査の結果アレルギー性鼻炎が確認されれば治療を始められます。以前「ハウスダスト」と呼ばれていた症状の多くはダニが原因で、気管支喘息を合併している方では喘息の悪化予防にもつながるとされています。
くしゃみや鼻水、鼻づまりといったアレルギー性鼻炎の症状が軽くなるだけでなく、目のかゆみや涙目などの症状にも改善が見られます。症状が落ち着くことで薬の量が減ったり、薬そのものが不要になったりするケースもあります。
生活の質が上がり、春先のつらさが和らぐことで「毎年の花粉シーズンが怖くなくなった」という声も多い治療法です。
気管支喘息が悪化しにくくなる、新たなアレルギーを発症しにくくなるなど、長期的なメリットも報告されています。
治療効果は個人差があるものの、症状が改善することが期待されています。
アレルゲンをゆっくり体に慣らしていくことで、体の免疫反応が少しずつ変化することが分かっています。
アレルギーを引き起こすIgE抗体が減るだけでなく、アレルギーを抑える働きを持つ細胞(制御性T細胞)が増えたり、IgE抗体の働きを弱める良い抗体(IgG4抗体)が増えたりすることで、アレルギーそのものが起こりにくい体質へと近づいていきます。
治療は1日1回、錠剤を舌の下に置いて行います。
初回のみクリニックで行い、アレルゲンを投与する治療のため、30分ほど院内で経過を見てから帰宅となります。
2回目以降はご自宅で続けていただけます。
錠剤を舌の下に置いて1分待ち、その後飲み込み、5分ほどは飲食とうがいを控えます。
投与の前後2時間は、入浴や激しい運動は避けていただく必要があります。
舌下免疫療法は、最低3年間続けることで効果が安定すると考えられています。
1年目から効果を感じる方が多く、2〜3年目で最も安定し、4〜5年続けることでより長い効果が期待できます。
スギ花粉症の治療は、花粉の飛散時期には開始できません。一般的には6月〜11月頃が始める適した期間です。11月までに始めると、次の花粉シーズンにある程度の改善が期待できます。
ダニアレルギーの場合は季節を選ばず、1年中いつでも開始できます。ただし、喘息の症状が不安定な時期は開始できないことがあります。
治療開始後しばらくは、口の中のかゆみ、唇の違和感、喉のイガイガなどが出ることがありますが、ほとんどは続けるうちに自然と落ち着きます。
まれにアナフィラキシーなどの強いアレルギー反応が起こることが報告されていますが、初回を医療機関で行う理由はそのためで、自宅での継続において過度に心配される必要はありません。
治療開始にあたって中止が必要な薬はありません。血圧や脂質異常症、喘息の薬など、普段お使いの薬はそのまま継続できます。
効果が出るまでは、抗アレルギー薬を併用しても問題ありません。
舌下免疫療法は、講習を受けた医師のみが処方できる治療です。すべての医療機関で行われているわけではありませんが、当院は実施資格を有し、緊急時の対応も可能な体制を整えています。安心して治療を受けていただけます。