執筆者
もりクリニック耳鼻咽喉科
院長 森 彰之
経歴
- 2003年3月大阪市立大学医学部医学科卒業
- 2003年5月
− 2005年3月大阪市立大学医学部付属病院 耳鼻咽喉科 - 2005年4月
− 2017年3月南大阪病院 耳鼻咽喉科医員 - 2017年4月
− 2018年3月PL病院 耳鼻咽喉科副部長 - 2018年4月
− 2026年3月八尾徳洲会総合病院 耳鼻咽喉科部長 - 2026年5月もりクリニック耳鼻咽喉科 開院
当院では、耳に関するさまざまな病気の診断と治療を行っています。耳の痛みや聞こえにくさ、耳鳴りなどの症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
耳のかゆみの多くは外耳炎が原因です。外耳道の皮膚はとても薄く、耳かきや指で触れるだけでも傷ついて炎症が起こりやすい場所です。かゆみが続いたり、痛みや耳だれが出てきたりするような場合には炎症が悪化している可能性がありますので、早めの受診をおすすめします。
耳の痛みは、外耳・鼓膜・中耳のどこに炎症があるかによって原因が変わります。急性中耳炎のように中耳で炎症が起こる場合や、鼓膜そのものに炎症が起こる鼓膜炎、外耳で起こる外耳炎などがよく見られる原因です。耳の周囲にある神経が刺激されて痛む「神経痛」では、短く鋭い痛みが繰り返し起こるのが特徴です。また、生まれつき耳の前に小さな穴がある先天性耳瘻孔が感染すると痛みが出たり、水痘・帯状疱疹ウイルスの炎症では強い痛みを伴ったりすることがあります。
耳以外の部位が原因となる痛みもあります。顎関節症の痛みが耳の痛みとして感じられたり、のどの炎症で舌咽神経が刺激されたりして耳が痛く感じることもあります。
痛みに加えて顔面麻痺やめまいがある場合は緊急の対応が必要です。
耳だれとは、耳から分泌物が流れ出る状態のことです。外耳道が原因の場合は、耳かきなどの刺激や外耳道湿疹でさらっとした液体が出ることがあり、細菌感染が加わると膿のようになります(外耳炎)。中耳が原因の場合は、中耳の粘膜から粘りのある分泌物が出てきて、中耳炎が悪化するとさらに粘り気が強くなります。慢性中耳炎では鼓膜の穴から流れ出ることがあり、好酸球性中耳炎では特に強い粘性になるのが特徴です。外傷で髄液が流れると水のような耳だれが出たり、腫瘍が原因の場合は血が混じったりすることもあります。
聞こえにくさは「難聴」と呼ばれる症状で、ゆっくり進行するものから突然起こるものまで原因は様々です。加齢による聴力低下は多くの方が経験するもので、両耳が徐々に聞こえにくくなります。強い音を聞いて耳を痛める音響外傷や、耳かきなどによる外傷で鼓膜を傷つける外傷性鼓膜穿孔、原因が特定できない機能性難聴などもあります。
片耳だけ急に聞こえなくなる、耳鳴りやめまいを伴う、聞こえ方に波があるなどの症状がある場合は、突発性難聴やメニエール病、中耳炎など治療が必要な病気が隠れている可能性があります。また難聴を放置すると認知症の危険因子になることが知られており、適切な治療や補聴器の活用が大切です。
耳なりは、周囲に音がないにも関わらず、何かが鳴っているように感じる状態です。多くは難聴と同時に生じ、本人にしか聞こえない自覚的耳鳴がほとんどです。他人にも聞こえる他覚的耳鳴は、筋肉のけいれんや血管の拍動が原因となることがあります。耳なりは高血圧や糖尿病、ストレス、疲労、睡眠不足などが悪化因子として知られています。慢性化すると完全に消すのが難しく、耳鳴りの原因疾患の治療、薬物治療、TRT(耳鳴り順応療法)などを組み合わせて症状の軽減を図ります。
耳が水に入ったように感じたり、ふたをされたりしたような閉塞感が出るときは、外耳・中耳・内耳のいずれかに原因があります。外耳では耳あかや異物、水が入った状態、外耳炎で腫れるなどが詰まり感の原因になります。中耳では、風邪で耳管が腫れ空気の調整がうまくできなくなる耳管狭窄症、逆に耳管が開きすぎる耳管開放症、中耳に液体がたまる滲出性中耳炎、飛行機で起こる航空性中耳炎などがあります。
内耳が原因の場合は、低音が聞こえにくくなる内耳性難聴で詰まり感が出たり、耳鳴りやめまいを伴ったりすることがあります。急性低音障害型感音難聴、メニエール病、突発性難聴などでよく見られます。
音は鼓膜・耳小骨・内耳・聴神経を通って脳へ届き、「音」として認識されます。
難聴はこの流れのどこかに障害が起こることで生じます。
難聴には以下の2つのタイプがあります。
鼓膜の奥にある「中耳」で炎症が起こる状態を中耳炎といいます。
特に多いのが急性中耳炎で、子どもにも頻発します。
| 主な症状 |
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|---|---|
| 診断 |
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| 治療 |
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| 特徴 |
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|---|---|
| 症状 |
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| 診断 |
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| 治療 |
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急性中耳炎や滲出性中耳炎が治らず長引くことで移行し、鼓膜に穴が残ったり、再発を繰り返したりすることがあります。
| 治療 |
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鼓膜より手前の「外耳」に炎症が起こる状態です。
耳かきで傷がついたり、不潔な器具で刺激したりした場合などに細菌が入り発症します。
| 症状 |
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|---|---|
| 診断 | 外耳道の赤み・腫れ・傷を確認します。 |
| 治療 |
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耳そうじは、耳の入口付近をやさしく拭く程度で十分です。
綿棒や耳かきを奥まで入れてしまうと、耳垢を押し込んだり、耳の中を傷つけてしまうことがあります。
基本的には無理に取ろうとせず、気になる場合は耳鼻咽喉科での処置をおすすめします。
はい、耳垢だけの受診でも問題ありません。
耳垢がたまると、聞こえにくさや違和感の原因になることがあります。
ご自身で取ろうとして痛みが出る前に、安心してご相談ください。
通常、耳に水が入っただけで中耳炎になることはありません。
ただし、風邪をひいている時や、耳の状態によっては注意が必要な場合もあります。
水が入った後に痛みや違和感が続く場合は、早めに受診してください。
お風呂は、体調や症状を見ながら短時間であれば可能なことが多いです。
一方、プールについては、症状が落ち着くまで控えていただくことをおすすめします。
状態によって判断が異なるため、診察時にご相談ください。
多くの場合、鼓膜は自然にふさがります。
ただし、穴の大きさや原因によっては、治りにくいケースもあります。
耳の痛みや聞こえにくさがある場合は、早めに受診してください。